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平成30年度宅地建物取引士試験を振り返る⑤

平成30年度宅地建物取引士試験を振り返る第5回目です。問6はこんな問題でした。

問6 Aが所有する甲土地上にBが乙建物を建築して所有権を登記していたところ、AがBから乙建物を買い取り、その後、Aが甲土地にCのために抵当権を設定し登記した。この場合の法定地上権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1.Aが乙建物の登記をA名義に移転する前に甲土地に抵当権を設定登記していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、乙建物のために法定地上権は成立しない。


2.Aが乙建物を取り壊して更地にしてから甲土地に抵当権を設定登記し、その後にAが甲土地上に丙建物を建築していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、丙建物のために法定地上権は成立しない。


3.Aが甲土地に抵当権を設定登記するのと同時に乙建物にもCのために共同抵当権を設定登記した後、乙建物を取り壊して丙建物を建築し、丙建物にCのために抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された場合、丙建物のために法定地上権は成立しない。


4.Aが甲土地に抵当権を設定登記した後、乙建物をDに譲渡した場合、甲土地の抵当権が実行されると、乙建物のために法定地上権が成立する。

規定を見ましょう。「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。」(民法第388条)

とあります。

① 土地と建物がある状態で、② 土地と建物が同じ所有者の時に、③ 土地、建物(一方又は両方)に抵当権が設定され、④ 抵当権が実行されて ⑤ 土地と建物の所有者を異にする状態になったら法定地上権が成立する、ということです。

選択肢1番を見ていきましょう。「Aが乙建物の登記をA名義に移転する前に甲土地に抵当権を設定登記していた場合」とありますが、このような判例があります。「土地およびその地上建物の所有者が建物の取得原因である譲受につき所有権移転登記を経由しないまま土地に対し抵当権を設定した場合であつても、法定地上権の成立を妨げない。」(最判昭和48年9月18日[事件番号:昭和45(オ)989])とあります。AがBから乙建物を買い取っていますから、登記をしなくても乙土地はA所有です。甲土地、乙建物もA所有の状態で甲土地に抵当権を設定したというのですから、法定地上権は成立します。選択肢1番は「誤り」です。

選択肢2番を見ていきましょう。「Aが乙建物を取り壊して更地にしてから甲土地に抵当権を設定登記」とあります。甲土地はA所有、建物は無しの状態で甲土地に抵当権を設定したというのですから、①の要件を欠きました。抵当権が実行されても法定地上権は成立しません。選択肢2番は「正しい」です。

選択肢3番を見ていきましょう。このような判例があります。「所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後右建物が取り壊され、右土地上に新たに建物が建築された場合には、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事情のない限り、新建物のために法定地上権は成立しない。」(最判平成9年2月14日[事件番号:平成7(オ)261])とあります。乙建物を取り壊し、丙建物を建築後、丙建物にCの抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行されたのですから、法定地上権は成立しません。選択肢3番は「正しい」です。

選択肢4番、上記①、②、③が成立し、④になる前に乙建物がDに譲渡されましたが、法定地上権は成立します。選択肢4番は「正しい」です。

この問題は、「誤り」を選ぶのですから、正解は1番です。

法定地上権の判例はかなりあるようです。判例は、裁判所の裁判例情報のHPで検索しています。http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1

第5回目はこれで終了です。

投稿日:2018/12/04   投稿者:野口 大輔