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平成30年度宅地建物取引士試験を振り返る⑦

平成30年度宅地建物取引士試験を振り返る第7回目です。

次は問8ですね。こんな問題でした。

問8 次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。

(判決文) 賃借人は、賃貸借契約が終了した場合には、賃借物件を原状に回復して賃貸人に返還する義務があるところ、賃貸借契約は、賃借人による賃借物件の使用とその対価としての賃料の支払を内容とするものであり、賃借物件の損耗の発生は、賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものである。それゆえ、建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている。そうすると、建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、(中略)その旨の特約(以下「通常損耗補修特約」という)が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である。

1.賃借物件を賃借人がどのように使用しても、賃借物件に発生する損耗による減価の回収は、賃貸人が全て賃料に含ませてその支払を受けることにより行っている。
2.通常損耗とは、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する。
3.賃借人が負担する通常損耗の範囲が賃貸借契約書に明記されておらず口頭での説明等もない場合に賃借人に通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになる。
4.賃貸借契約に賃借人が原状回復義務を負う旨が定められていても、それをもって、賃借人が賃料とは別に通常損耗の補修費を支払う義務があるとはいえない。

 

判決文はこんなものでした。

事件番号:平成16(受)1573 敷金返還請求事件 平成17年12月16日(最高裁)

判示事項

1 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う場合
2 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う旨の特約が成立していないとされた事例

裁判要旨

1 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負うためには,賃借人が補修費用を負担することになる上記損耗の範囲につき,賃貸借契約書自体に具体的に明記されているか,賃貸人が口頭により説明し,賃借人がその旨を明確に認識して,それを合意の内容としたものと認められるなど,その旨の特約が明確に合意されていることが必要である。2 建物賃貸借契約書の原状回復に関する条項には,賃借人が補修費用を負担することになる賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗の範囲が具体的に明記されておらず,同条項において引用する修繕費負担区分表の賃借人が補修費用を負担する補修対象部分の記載は,上記損耗を含む趣旨であることが一義的に明白であるとはいえず,賃貸人が行った入居説明会における原状回復に関する説明でも,上記の範囲を明らかにする説明はなかったという事情の下においては,賃借人が上記損耗について原状回復義務を負う旨の特約が成立しているとはいえない。(参照条文 民法597条1項,民法598条,民法616条)

判例や民法の規定を参考として載せましたが、これは、国語問題ですね。こういうのがたまにありますので、受験したならば、これは得点したいところです。

選択肢1番を見てみましょう。

本文では、「賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている。」とあります。

一方問題文では、「賃借物件を賃借人がどのように使用しても、賃借物件に発生する損耗による減価の回収は、賃貸人が全て賃料に含ませてその支払を受けることにより」とあります。選択肢1番は「誤り」ですね。

選択肢2番を見ましょう。

これは、選択肢1番の内容参照してください。明らかですよね。「正しい」です。

選択肢3番です。

本文では、「建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、その旨の特約が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当」とあります。選択肢3番は「正しい」ですね。

選択肢4番です。これも選択肢1番の内容を参照してください。社会通念上通常の使用をした場合、賃借物件の劣化や減少分の補修費等は、賃料に含めて払っているので、「賃借人が賃料とは別に通常損耗の補修費を支払う義務があるとはいえない」ですよね。選択肢4番は「正しい」です。

問8は「誤り」を選ぶ問題でしたので、正解は選択肢1番です。

第8回目も無事終了です。 

投稿日:2018/12/11   投稿者:野口 大輔