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平成30年度宅地建物取引士試験を振り返る㊳

平成30年度宅地建物取引士試験を振り返る第38回です。

 

問43 宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.宅地建物取引業者は、免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出を行わなかったことにより国土交通大臣又は都道府県知事の催告を受けた場合、当該催告が到達した日から1月以内に届出をしないときは、免許を取り消されることがある。
2.宅地建物取引業者に委託している家賃収納代行業務により生じた債権を有する者は、宅地建物取引業者が供託した営業保証金について、その債権の弁済を受けることができる。
3.宅地建物取引業者は、宅地建物取引業の開始後1週間以内に、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添附して、営業保証金を供託した旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
4.宅地建物取引業者は、新たに事務所を2か所増設するための営業保証金の供託について国債証券と地方債証券を充てる場合、地方債証券の額面金額が800万円であるときは、額面金額が200万円の国債証券が必要となる。

 

 

選択肢1番です。まず、条文から全部見てみましょうか。

第二十五条 宅地建物取引業者は、営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託しなければならない。
2 前項の営業保証金の額は、主たる事務所及びその他の事務所ごとに、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して、政令で定める額とする。
3 第一項の営業保証金は、国土交通省令の定めるところにより、国債証券、地方債証券その他の国土交通省令で定める有価証券(省略)をもつて、これに充てることができる。
4 宅地建物取引業者は、営業保証金を供託したときは、その供託物受入れの記載のある供託書の写しを添附して、その旨をその免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
5 宅地建物取引業者は、前項の規定による届出をした後でなければ、その事業を開始してはならない。
6 国土交通大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の免許をした日から三月以内に宅地建物取引業者が第四項の規定による届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならない。
7 国土交通大臣又は都道府県知事は、前項の催告が到達した日から一月以内に宅地建物取引業者が第四項の規定による届出をしないときは、その免許を取り消すことができる。
8 第二項の規定に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令で、営業保証金の追加の供託又はその取戻しに関して、所要の経過措置(経過措置に関し監督上必要な措置を含む。)を定めることができる。


とあります。6項と7項を見ると、選択肢1番は「正しい」ことがわかります。

 

 

選択肢2番です。条文を見ましょう。

第二十七条 宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者(宅地建物取引業者に該当する者を除く。)は、その取引により生じた債権に関し、宅地建物取引業者が供託した営業保証金について、その債権の弁済を受ける権利を有する。(第1項)

 

とあります。宅地建物取引業者に委託している家賃収納代行業務により生じた債権を有する者は、宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者にあたりません。選択肢2番は「誤り」です。

 

 

選択肢3番です。選択肢1番の第25条の1項、4項及び5項を参照してください。

免許を受けたら、供託(1項)→届出(4項)→事業開始(5項)ですが、選択肢3番は届出前に事業を開始してしまっていますので、選択肢3番は「誤り」です。

 

 

選択肢4番です。これも選択肢1番の第25条を参照してください。

新たに事務所を2か所増設するということですが、その額は、第2項で、政令で定める額とあります。宅地建物取引業施行令を見てみましょう。

 

第二条の四 法第二十五条第二項に規定する営業保証金の額は、主たる事務所につき千万円、その他の事務所につき事務所ごとに五百万円の割合による金額の合計額とする。

 

とあります。事務所を2か所増設するには、営業保証金が1000万円必要です。宅地建物取引業法第25条3項を見ると、営業保証金は、国債証券や地方債証券を充てることができるとあります。宅建業法施行規則を見てみましょう。

 

第十五条 法第二十五条第三項(省略)の規定により有価証券を営業保証金又は弁済業務保証金に充てる場合における当該有価証券の価額は、次の各号に掲げる有価証券の区分に従い、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 国債証券(省略)については、その額面金額(省略)
二 地方債証券又は政府がその債務について保証契約をした債券については、その額面金額の百分の九十
三 前各号以外の債券については、その額面金額の百分の八十

 

とあります。地方債証券の額面が800万円ということですが、条文によれば720万円相当にしかなりませんので、国債証券との合計額は920万円相当であり、金額が足りません。選択肢4番は「誤り」です。

 

 

この問題は「正しい」ものを選択するので、正解は選択肢1番です。今回はこれまで。

※内容については、正しさを保証しません。

投稿日:2019/08/12   投稿者:野口 大輔